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サムスン、中価格帯以上のGalaxyは全機種防水対応に。製造工程は削減

Galaxy A33 5G(画像はOnLeaksより)

Galaxy A33 5G(画像はOnLeaksより)

サムスンは来年以降、中低価格帯以上のスマートフォンに対して、防水を基本機能としてサポートしていくようだ。シャオミやオッポといった中国メーカーが勢いを増している中低価格帯スマートフォン市場での差別化、競争力強化が目的とみられる。

防水に対応していくGalaxy

韓国メディアThe Elecが報じたところによると、サムスン電子はこれまでフラッグシップモデルと一部のスマートフォンにのみ防水機能をサポートしてきた。このたびこの方針を転換し、来年以降は「Galaxy A33」以上のモデルで防水機能をサポートする計画だ。

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現在のところハイエンドモデルの「Galaxy S21」にはIP68の防水・防塵、折りたたみスマートフォンの「Galaxy Z Fold3 5G」や「Galaxy Z Flip3 5G」にはIPX8の防水機能が備わっている。その一方で「Galaxy A」シリーズには、2017年に防水機能がサポートされたことがあったが、その後のモデルでは対応していない。現在、サムスンの「Galaxy A」シリーズには今年だけで12種類のモデルが存在する。「A02」、「A02s」、「A12」、「A22」、「A22 5G」、「A32」、「A32 5G」、「A42 5G」、「A52」、「A52s 5G」、「A72」、「A82」だ。この中で防水機能を搭載したのは「Galaxy A5 5G」、「Galaxy A72」など3モデルにすぎない。

来年は「Galaxy A33」以上の「A33」、「A53」、「A53 5G」、「A73 5G」といったモデルですべて防水機能に対応する。

サムスンは防水性、透湿性に優れたメンブレン素材と防水シリコンを使用して防水・防塵機能に対応している。マイクとスピーカーにもメンブレン素材が使用されている。充電用ポートなどの穴にはゴム素材のシリコンを使用している。

コスト削減を迫られるサムスン

中国メーカーとの競争にさらされたサムスンは、防水サポート以外にもコスト削減のためにスマートフォンの背面カバーの生産工程も簡素化する計画だ。射出成形と塗装の回数をそれぞれ2回から1回に変更する。射出成形はプラスチックなどの加工法でインジェクション成形ともよばれる。軟化する温度にまで加熱したプラスチックに射出圧を加えて金型に押込み、型に充填して成形する技法だ。

来年の「Galaxy」は防水による差別化と同時に、生産工程削減でギリギリまでコストを削減することで、どうにか中国メーカーに対応していくつもりのようだ。高価格帯の折りたたみスマートフォンでブランド化を図る一方、中低価格帯では薄利の価格競争も続けるということだろう。

サムスンは、かつて圧倒的だったインドなどでも中国メーカーにシェアを奪われている。インド人の反中意識に対しシャオミは「メイド・イン・インド」をアピールし、浸透を図った。近年それに対抗するように、サムスンも生産拠点をベトナムから一部インドへ移転を始めている。Viet-Joなどの報道によれば、2024年にはインドがサムスンの最大のスマートフォン生産拠点になる予定だ。サムスンの目的は、インドでの販売拡大だけでなく、人件費が高騰するベトナムから拠点を移すことで生産コストを削減することにある。

今回の報道でも、サムスンが厳しい価格競争にさらされていることが浮き彫りになった形だ。折りたたみスマートフォンの市場はそれなりに拡大しているようだが、薄利多売との二兎を追うビジネスモデルが都合よく成功するかはいまのところ不透明だ。

source:The Elec

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