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中国5G通信機器の排除が強まる中、OPPOが最新の6G白書を発表

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画像はOPPOより

中国のスマートデバイスブランドOPPOは、スペイン・バルセロナで行われた「GSMA Mobile World Congress 2023」において、最新の6G白書『A Versatile 6G with Minimized Kernel: To Build the Mobile World(最小限のカーネルによる汎用6G:モバイル世界の構築に向けて)』を発表した。

この白書では、6GとAI技術の統合が6G開発の大きな方向性であると述べられており、通信ネットワークの役割が「コネクション」から「コンバージェンス」へと変わることが期待されている。

また、OPPOが提案する「最小限のカーネルによる汎用6Gシステム」は、未来のモバイル世界の構築促進を目的としており、通信技術開発の未来を探るために6G予備研究を積極的に行っているとのこと。

このシステムは、6G機能を「モジュール化」し、あらゆるシナリオ固有のニーズに応じて各種機能モジュールをインテリジェントに接続することで、将来の多数のデバイスやネットワークのコンバージェンスの基盤となる通信サポートの提供における6Gネットワークの適応性と効率性を高めることが可能になるとされている。

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中国のスマートフォンメーカーOPPOは、5Gと6Gテクノロジーを活用した「真のモバイル世界」の実現を目指している。通信技術は単なるコネクティビティから、IoT(モノのインターネット)に進化した。

OPPOはこれに基づき6G技術の開発において通信ネットワークにAI技術を統合することが重要な方向性の一つとなるとしている。これにより、通信ネットワークは単なるデータ伝送だけでなく、AIモデルの伝送や展開にも対応可能となると予想している。

また、多数のAIエージェントを学習させ、物理世界の制御を実現することも可能になると述べている。仮想世界と現実世界との間のコミュニケーションを促進し、メタバースや真のモバイル世界の基礎を築くことで、6GはIoTを一連のコンバージドデバイスへの進化に役立つと期待されている。

OPPOは、このビジョンを実現するため、6G技術の研究開発に注力している。白書では、6Gがメタバースや真のモバイル世界の基礎を築くものとして、仮想世界と現実世界との相互接続とコンバージェンスを実現することが提案されている。

OPPOが提案する「最小限のカーネルによる汎用6Gシステム」は、6Gに関する新しい設計思想であり、共通機能を提供する「最小限の6Gカーネル」と複数の「6Gサブシステム」から構成される。

AIやセキュリティアーキテクチャ、周波数共用、通信とセンシングの統合、ゼロ電力通信などの技術が含まれ、垂直アプリケーションへの最適化が可能となる。最小限の6Gカーネルは、ネットワーク内のすべてのサブシステムが共有する基本機能を提供し、AI機能は垂直アプリケーションの効率的な展開に役立つ。ネットワークはオンデマンドネットワーキング/リソース割り当てをインテリジェントに実現することにより、多様なアプリケーションの変化するコネクティビティニーズに対応できるようになるとされる。

新しいセキュリティ構造を実現するためには、マルチパーティ信頼モデルの構築と幅広いサービスデータを保護するインテリジェントなセキュリティが必要であり、柔軟な周波数管理・共用にはブロックチェーン技術が利用される。

ネットワーク上の様々なアプリケーションに対応するために、クラウディング、クリティカルIoT、ユビキタスIoT、センシングの4つの機能を用いて、個別最適化を実現するためのサブシステムが設計されている。これらのサブシステムはAIによってオンデマンドで組み合わせたり切り替えたりすることができ、業種や用途に合わせてカスタマイズが可能だ。

例えば、6G非地上系ネットワークサブシステムは、衛星通信機能を追加することで時間、コスト、地域の制約を解消し、ネットワークカバレッジを拡大し、データ転送速度の向上に加えてカバレッジ要件も厳しいアプリケーションに貢献する。また、6Gセンシングサブシステムは、通信技術とセンシング技術を統合することにより、ユビキタスなセンシング機能を実現し、仮想世界でのデジタルツイン構築を支援することができる。5Gで実現した部分的な位置推定機能に加えて、6Gでは新たなセンシング機能が導入される。これにより、物理世界のあらゆる詳細を取り込むことが可能となる。

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5Gに関して中国メーカーへの圧力が強まる中、OPPOは次世代通信技術の6Gの研究に力を入れている。6G技術研究はまだ始まったばかりであり、OPPOはこの未来技術の探求をリードするとともに、新しいデバイスフォームファクタやサービス要件の研究を開始したとしている。

OPPOの6G研究には、AIとワイヤレス通信の統合、ゼロ電力通信技術、ユーザー中心の設計、通信とセンシングの統合、非地上系ネットワーク、テラヘルツ/ワイヤレス光通信などが含まれる。OPPOは既にシステム検証、技術研究、標準化などの分野に参加し、6G研究上の主要な関心事に関する技術の開発を推進している。OPPOはITU、3GPP、CCSA、IMT-2030 Promotion Group、FuTURE Forumなどの世界中の標準化団体にも定期的に関与している。

現在、5Gの世界的な普及に取り組んでいるOPPOは、今後もユーザー中心の最先端の6G技術を探究し、真のモバイル世界の構築に向けて取り組んでいくとしている。

OPPOは、スマートフォン市場でシェアを拡大することに成功しており、今後も最先端技術の研究に力を入れていくことが予想される。

www.oppo.com

source:OPPO

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