スマートフォンで頻繁に電話を使用する人と、まったく使わない人がいるだろう。LINEやZoomが一般的になってからは、ほぼ電話は使っていないという人も若い方には大勢いる。一方で電話のやり取りが不可欠な人にとって大事なのは、いまでも通話料金だろう。今回はy.u mobileの新オプションプランを通して、通話かけ放題やデュアルSIMでのSIMの使い分けについて考えてみたい。
y.u mobileの通話かけ放題
y.u mobileは、2022年1月からかけ放題オプションの料金を大幅値下げすることを発表した。料金は以下の通りで、かなり強気だ。(※価格は税込み)
10分かけ放題:550円/月
無制限かけ放題:1,400円/月
上記の料金は他社のかけ放題と比較すると、かなり安い。例えば、他社の10分かけ放題は以下の通りだ。(※2021年12月15日現在)
IIJmio:700円/月
ワイモバイル:770円/月
UQモバイル:770円/月
BIGLOBEモバイル:913円/月
イオンモバイル:935円/月
OCNモバイルONE:935円/月
mineo:935円/月
みおふぉんダイアル通話定額10分+を始めたばかりのIIJmioがもっとも安いが、y.u mobileの10分かけ放題はそれよりもさらに安い。無制限かけ放題も安いので、通話を頻繁に使う方にはおすすめだ。
y.u mobileとは
y.u mobileの場合、U-NEXTユーザーであれば「シングルU-NEXTプラン」が破格に安すぎる。ただし、特殊なプランなので以下に少し説明したい。
U-NEXTは月額2,189円で動画や雑誌が見放題になるサブスクリプション・サービスだ。
y.u mobileの「シングル U-NEXTプラン」は音声SIMが使える月10GBのプランで月額2,970円。一見、高いようだが「シングル U-NEXTプラン」にはU-NEXTのサービスがまるまる含まれている。U-NEXTと「シングル U-NEXTプラン」の差額は、わずか781円だ。
さらに、U-NEXTのサービスには動画や電子書籍の購入などに使えるポイントが毎月1200ポイント付与される。通信量が10GBで足りないときには、このポイントを使って通信量を追加することも可能だ。y.u mobileでは、1200ポイントをチャージに当てれば毎月、月額2,970円で20GB使えてU-NEXTのコンテンツが見放題ということになる。
ちなみに、他社の20GBプランの料金は以下のようになる。
ahamo:月額2,970円
povo:月額2,728円
LINEMO(スマホプラン):月額2,728円
「シングル U-NEXTプラン」との差額はわずかだ。その僅かな差額で動画や雑誌が見放題になるU-NEXTのサービスが楽しめると考えるとかなりお得なのではないだろうか。
もっともy.u mobileはあくまでMVNOであり5Gにもいまのところ非対応なので、おすすめできるのは5Gが必要ない、あくまでコスパ重視という方に限られるだろう。
音声かけ放題でもっともお得なのは?
y.u mobileについてここまで書いておいて今更だが、じつのところかけ放題でもっとも安いのは楽天モバイルである。Rakuten Linkアプリを使って通話をする限り、国内通話かけ放題だからだ。いま使用している電話番号のままで、ほかの携帯電話会社や、固定電話を含む国内通話が無料となる。
特別なオプション料金はなく、Rakuten UN-LIMIT VIプランに加入していればRakuten Linkアプリで通話が可能だ。1回線しか契約していなければ1GBまでは月額0円なので、毎月無料で電話かけ放題になる。
※あえてRakuten Linkアプリを使用しない、標準アプリでの10分通話かけ放題は1,100円/月となる。
デュアルSIMという選択肢
ここまで書くと、y.u mobileの「シングル U-NEXTプラン」でU-NEXTをお得に楽しみつつ、なおかつ楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」で国内通話無料にするのがもっとも得になるという方もいるだろう。
手元のスマートフォンがデュアルSIMに対応していれば、y.u mobileと楽天モバイルの2枚のSIMを差すことができる。楽天モバイルはeSIMに対応しているので、楽天モバイルだけeSIMで使用するのもありだろう。
2社と契約することで、楽天モバイルを通話専用SIMとして、y.u mobileをデータ通信専用SIMとして使用することができる。
月額2,970円の「シングル U-NEXTプラン」でデータを20GB使用しつつ、月額0円で「Rakuten UN-LIMIT VI」の通話無料だけを使うことができるのだ。
2枚のSIMを使うのは、どちらか一方が回線トラブルに陥ったときにも安心だ。
デュアルSIMの使い分け
デュアルSIMでSIMを使い分けるというのは、各社の様々なプランで応用が可能だ。例として、一時的に5Gエリアで高速通信をしたいが普段は殆ど5Gエリア外であるといったケースで、5Gが高速なドコモと使い放題が安い楽天モバイルを使い分ける事も考えられる。あるいは、普段はあまり通信を使わないが時には多く使うことがあるといった場合に、LINEMOを主に使いながら必要に応じてpovoで24時間データ使い放題をトッピングするといったことも可能だ。
菅政権のおかげで閉鎖的だった日本のプランにも多様性が生まれ、さまざまな選択ができるようになった。2年縛りといった拘束もなくなり、まもなくキャリアメールのメールアドレスそのまま乗り換えも始まる。これからはどこか1社に縛られることなく、各社の特色を活かした使い分けの時代になるだろう。もはやiPhoneが一番安く買えるキャリアを選べば良いという時代は終わってしまったのではないだろうか。乗り換えが面倒だなどといっていると大きく損をしてしまう。各社のプランを比較するだけでも大変だが、積極的に新たなプランを検討すべきだ。
source:y.u mobile